株主総会決議の瑕疵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/29 04:59 UTC 版)
株主総会の決議に手続上または内容上の瑕疵がある場合には、そのような決議は違法な決議であって、その決議の効力をそのまま認めることはできない。しかし、決議が有効かどうかは会社、株主、取締役等の者の利害に影響を与えるので、これを一般原則による処理にゆだねることは法的安定性を害し適当ではなく、法律関係を画一的に確定し、瑕疵の主張をできるだけ制限することである。 そこで、決議取消の訴え、決議不存在確認、議決無効確認の訴えを用意し、決議取消、決議不存在確認、議決無効確認の判決には対世的効力を認め第三者に対してもその効力を有し(838条)、会社の組織に関する訴えを除いては遡及効がある(839条)。なお、取り消しの訴えについては提訴権者と提訴期間を制限している。 決議不存在確認 決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる(830条1項)。中小企業では、実際に株主総会を開かず議事録だけ作成して、株主総会があったことにする例が少なくないが、これも株主総会決議不存在確認の訴えの対象になる。 議決無効確認の訴え 決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる(830条2項)。 決議取消しの訴え 株主等は、招集の手続又は決議の方法が、定款・法令違反などがあった場合、決議の日から3か月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる(831条1項)。
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