松永安左エ門、電力中央研究所設立の辞
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「電力中央研究所」の記事における「松永安左エ門、電力中央研究所設立の辞」の解説
電力中央研究所に付き、僭越を顧みず、一筆す。 予が二十余年前、東邦産業研究所の所長となりし時、産業研究は、知徳の錬磨であり、もって社会に貢献するべきであることを悟った。但し科学の進歩は累積と推理に由り、無限の発展を遂げる性質のものであり、十八・九世紀に入り、はるかに人類は其面に躍動して蒸気利用の発明、電気の発明、化学の発明、又は是等の応用に革新的進歩を成した。近くは原子力、水素の融合反応等、或いは人工衛星に至るまで、科学的進歩は無限に続くのである。 しかし利己的な人間性は、社会的には、なお四千年前の哲人と比し、何らの進境を示していない。 是は人間の悲劇である。 諸氏能く之れを知り内面的な人間性の錬磨を科学の研究と共に続けられん事を祈るものである。 — 一九五七年一〇月二二日 喜多見に於いて
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