材質・木地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 03:19 UTC 版)
戦国時代には象牙の駒なども制作されていたが、明治以降、高級品はツゲ(本黄楊)で作られる。なかでも、東京都・御蔵島産の「島黄楊」と、鹿児島県産の「薩摩黄楊」が一定ランク以上の駒に使われる。 本黄楊の代用として、東南アジア原産のシャム黄楊(学名:Gardenia collinsae 名前に「黄楊」とついているがアカネ科クチナシ属で、ツゲ科の黄楊とはまったく種類が異なる木材である)が普及品として用いられている。また、スタンプ駒など低価格品にはホオノキ、カエデ、カバ、イジュなどを用いることもある。 また、とくに本黄楊の木地には、「斑」(ふ)あるいは「杢」(もく)と呼ばれる、木地の色が一部違う部分が入っているものがあり、その入り方によって虎斑(虎の斑点のような模様)・根杢・くじゃく杢(孔雀が羽を広げたような模様)などと呼ばれる。斑や杢の入っているものは、見た目が美しいため、工芸的価値も高く、より高級品となる。また、柾目にも種類があって、「赤柾」(柾目が赤いもの)「糸柾」(糸のような柾目のもの)「荒柾」などがある。 木製の駒のうち最廉価なものは「スタンプ駒」だが、アマチュア将棋大会、プロ棋士の指導対局、将棋道場などでは、安価かつ実用性に優れたプラスチック(ユリア樹脂)製の駒が使用されることが多い。
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