本館 モリス館(池袋キャンパス)
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「立教大学」の記事における「本館 モリス館(池袋キャンパス)」の解説
1918年(大正7年)、米国聖公会宣教師アーサー・ラザフォード・モリスが遺した寄付によって建てられた本館(1号館)は「モリス館」と呼ばれている。ニューヨークのマーフィー・アンド・ダナ建築事務所によって設計された。かつて米国で流行っていたカレッジ・ゴシック様式であり、米国のセントルイス・ワシントン大学やプリンストン大学でも見ることができる。 創建当初は、中央の時計塔が現在よりも荘厳な3層構造の建物で、周囲よりも高層なシンポリックな「塔」であったが、1923年(大正12年)の関東大震災で塔の上層が被害を受けたため、その後、修復する際に1層低い現在の2層構造で再建されることとなった。屋根も再建時にチューダー様式の特徴の一つであった切妻から寄棟に変更された。創建当時の姿である3層構造の建物で比較すると、アーサー・ロイドも学んだ英国ケンブリッジ大学のセント・ジョンズ・カレッジやクイーンズ・カレッジの建物に酷似しており、マーフィー・アンド・ダナ建築事務所が設計の際に参考にしたものと思われる。時計塔の時計は、南北の文字盤を親時計が動かしている。動力には分銅(重り)が使われており、現在も担当者が分銅を引き上げる作業を行っている。当初は1週間に1度程度行っていたものが、3層構造から2層構造への減築時に塔の高さが短くなったことから、現在の3~4日に1度の作業となった。親時計は、イギリスの国会議事堂に付属するビッグ・ベンと同じ、E・デント社製である。大正期において、時計塔は立教の誇りであり、「自由の塔」と呼ばれていた。 モリス館は2012年に耐震補強と内装改修が行われたが、3層の時計塔「自由の塔」の再建はなされなかった。モリス館は東京都選定歴史的建造物に選定されている建物であるが、選定基準にある保存状態について、「外観・敷地の状況が建設当時の状態で保存されているもの」とされていることに加え、近年、三菱一号館や東京駅丸の内駅舎など明治期や大正期の建物を創建当時の姿に蘇らせる復元プロジェクトが全国的に進んでいることから、今後立教大学のシンボルとして復元される可能性がある。 建設中のモリス館(1917年12月19日) 創建当時のモリス館と建物群(1919年頃) 東側面から見た光景 震災直後のモリス館(1923年) ケンブリッジ大学St John's College Second Court ケンブリッジ大学Queens' College Gatehouse
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