月の輪地域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/01 17:23 UTC 版)
岡山県の中東部、吉井川・吉野川の合流地点付近を中心とする地域を、月の輪地域と呼ぶこととする。この地域一帯は、弥生時代中期なかば過ぎると開拓も進み、人々が定着するところも広がった。扇状地や標高約300メートルの吉備高原などに弥生時代の遺物発見地がおよそ50余カ所ある。後期には、沖積平野の一部特に低湿地帯の水田化が始まったと考えられている。月の輪古墳の位置する地域は飯岡上(ゆうかかみ)地区で、山塊や丘陵および扇状地である。古墳時代の集落遺跡は、土師器や須恵器の包含層によって知られ、後期には、集落の分布が流域の平地や付近の山裾に拡大している。このことは古墳時代には沖積平野の水田化が進んだことを示しており、平地の開墾という事業が進められ、人々の集団を結合させる役割を担ったと考えられる。そして、集団の結合が首長墳として現れる。首長墳と思われる月の輪古墳を含む地域に古墳が集中しており、22基知られている。そのうち15基は後期古墳に推定される小墳、2基は時期不明で箱式石棺をもつ小墳、5基は、1基ははっきりしないが4基は前期と考えられ、比較的大型で、山頂や尾根上に位置している。そのうち、特に月の輪古墳と釜の上古墳(円墳径55メートル、埴輪・葺石あり、おそらく木棺粘土槨)が大きい。
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