明治維新との共通点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 04:36 UTC 版)
歴史学者の小林良彰は明治維新とフランス革命の構造が同じであると主張した。 フランス革命では領主の組織した権力は破壊され、商工業、金融業の上に立つ者が権力の指導権を握った。江戸時代は領主が権力を組織していたこと、明治維新以後、商工業、金融業の上に立つ者が権力を握ったということが確認される。この点でフランス革命と明治維新は基本的に同一の変化を引き起こした。 フランス革命も明治維新も市民革命である。「領主の権力からブルジョアジーの権力へ」これが市民革命の定理である。 どちらも財政問題が基本的原因になった。フランスの宮廷貴族は巨額の国家資金を様々な名目で手に入れ、財政破綻を引き起こした。江戸幕府財政は大名をはじめとする領主が租税を負担せず、幕府財政資金から老中以下の幕府官僚が様々な名目で国家資金を引き出していた。これが幕府の金庫を空にした。 国庫が空になると大名や宮廷貴族などの特権階級に負担させるのではなく、商人に対する幕府御用金の増加やブルジョアジーからの強制借り入れで負担をかぶせた。その時江戸時代末期において、関ヶ原の戦い以来冷遇されていた薩長両藩と商人層の主流が結びつき、討幕派を援助しながら主導権を握っていった。フランスでも自由主義貴族とブルジョアジーが反乱を組織した。権力の変化と財政問題の絡み合いが日仏両国で、明治維新とフランス革命が同じ変化を持つ変革であると規定できる。
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