日野菜の栽培
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/21 01:44 UTC 版)
前述のように発祥の地、日野町鎌掛地区の他、南比都佐地区、必佐地区、西大路地区を中心とした農家では、現在でも日野菜が栽培されている。現代では、真夏を除いていつでも栽培することができる日野菜ではあるが、本来は夏から冬にかけて栽培するのが一般的であるとされている。梅雨明け頃から10月上旬にかけて、何度も種を播き、その後40~50日の間に収穫していく。この際何度も種を播くことで収穫時期を長くする事ができる。この中で、9月下旬に種を播き、吹き付ける風が冷たくなる11月中旬ぐらいに収穫するものが最も美味で、色も美しいとされている。 現代では転作等の影響で、水田等でも作付けすることは可能であるが、本来は畑で作る方がよいとされている。なぜなら、根が長く伸びるよう深く耕す為に、畝を高めにすることができるからである。畝は幅1mで、そこに4筋に種を蒔き、成長するに従い、おおよそ3回間引きをする。この間引きは最終的に苗が、ちょうど握りこぶし一つ程度の間隔になる様にすると良いとされている。日野菜は、発芽率が高く、その成長も安定的に育つので、比較的栽培しやすい野菜であるが、形が良く美しいものを作り出すには、手間と技術が必要であるという。 また、前述したように日野菜は、現在草津市での栽培量が最も多い。科学的な詳細は未だ分かっていないが、一般によく言われているのは日野町の畑地は古琵琶湖層の段丘が発違した所にあり、その土質は灰色低地土かあるいは黒墨土であるため、良好な土壌であるとは言えない。しかし、土地が肥沃すぎると日野菜の葉は大きくなり、味も細やかで繊細でなくなり、日野菜の美味さの特徴が薄れることから、逆にこのような少し痩せた土地での栽培が適していると言えるということである。
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