日焼けによるリスク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 01:43 UTC 版)
日焼けの危険性として皮膚がんのリスク増加が指摘される。紫外線が直接DNAを損傷することが原因となる。通常、この損傷はほとんどが修復される。しかし、色素性乾皮症のように修復機能が欠損するケースでは、紫外線暴露による皮膚ガンが極めて起こりやすいことが知られている。また、日焼けは稀に全身性エリテマトーデス発症のきっかけになるともされている。 かつては欧米諸国において、日焼けは、個人の太陽に対する防御機構を増進するものとして望ましいものと捉えられていた。北ヨーロッパのような高緯度地域では、乳幼児の間でビタミンD不足によるくる病が発生することがあった。現在では白人の間でくる病の発生は稀になっている。肌の色の濃いインド系やアフリカ系の人々がイギリスなどの高緯度地域に移住した場合、ビタミンD欠乏症を発症することが多く、イギリスでは南アジアやアフリカ系の移民の子供達の間で、くる病の多発が問題となっている。 近年、医学的に日焼けによってシミ、そばかすを増やし、皮膚を老化させ、皮膚癌や白内障を発症、誘発し皮膚の免疫力までも低下させると言われるようになった。ファッションとして日焼けする場合にも日焼け止めの使用を推奨している。 なおヒトにおいては、日焼け止めクリームを使わない場合、午前10時から午後3時の日光を少なくとも週に2回、5分から30分の間、顔、手足、背中に浴びることで十分な量のビタミンDが体内で生合成される(夏では10-20分で十分だが、冬の場合、北海道では139分、茨城県では41分が必要になる)。
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