日清戦争従軍日記
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 05:03 UTC 版)
金州城潜入時の大胆不敵な行動が『向野堅一従軍日記』に記載されている。 「早朝野菜魚類を搬入する農民の群に混じって北門より潜入。城内は東西南北の四街共に兵馬充満。中央の関帝廟前に暫時休息、廟門に『倭寇奸細潜入甚多来往厳視捕拿重賞』の貼紙あり。南門内の一小飯店に入り豚肉と麺各一椀を注文し喉を鳴らして食す。数日来の空腹一時に満ち心自然に泰然となる。出入する者は皆兵士、三々五々卓子を囲んで酒食の間雑談頻りなり。此の店内金州兵の状態を知る妙処なりと、麺を食い終り茶を喫して居ること二時間余。これより南門外兵営の状況を見、西門に往き東門上の砲数を一見し、市街に徘徊する兵を見るに、銘字・懐字淮軍、正勇、爵閣督堂親軍の砲隊馬隊等尤も多し。城壁上に旌旗を建て実に盛大なる情態なり。衣服を求め饅頭六七箇を肩袋に収め、北門を出て東門の道に出で、皮子口に向はんとす。時已に午後五時頃・・・」
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