日本語吹替版についてのエピソード
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「フルメタル・ジャケット」の記事における「日本語吹替版についてのエピソード」の解説
出典 吹替版はキューブリックの要請で製作され、劇場公開を前提に製作されていた。字幕版の製作でキューブリックの信頼を勝ち取っていた原田眞人が演出に起用され、吹替声優のキャスティングには全てキューブリックの監修の元、原田自身が選定をした。声優陣は通常の吹替作品と異なり、舞台・テレビを中心に活躍する俳優がキャスティングされている。吹替版は劇場公開が見送られることとなったが、キャスティングも含め通常のテレビ用吹替の倍以上の制作費をかけていたので、お蔵入りになったことを原田自身も気にはなっていたと語っている。 劇場公開が見送られた後、何度か吹替版のテレビ放送が計画され、1991年10月23日に水曜ロードショー(TBS)での放送が予定されていたものの、直前になって『ダーティハリー5』に差し替えられた。その後も木曜洋画劇場(テレビ東京)での放送も計画されていたというがいずれも実現はしなかった。原田によるとキューブリックの要請で映画で使われている放送禁止用語を忠実に訳していたため、放送コードに引っかかるので放送が見送られたのではないかと推測している。 ハートマン軍曹の声を吹き替えた斎藤晴彦は、当時早口オペラで人気を博しており、長丁場のセリフが可能という原田の判断によりキャスティングされたが、収録時あまりのセリフの長さに「これ以上喋ると喉がつぶれる」と怒ってしまったという。 地上波以外のテレビ放送もなく、長らくソフト化もされていない幻の作品となっていたが、関係者がマスターテープを発見したことからソフト化の企画が持ち上がり2017年11月8日発売の『吹替の力シリーズ フルメタル・ジャケット 日本語吹替音声追加収録版 ブルーレイ』に収録され初のソフト化が実現した。
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