日本の社会慣例とのミスマッチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 21:12 UTC 版)
「転職」の記事における「日本の社会慣例とのミスマッチ」の解説
日本でも法律上は職業選択の自由はあるため、転職活動自体に法的な制約や罰則は課されない。しかし、終身雇用や年功序列、新卒一括採用などの制度、会社が社員に対し絶対的な忠誠や服従を求める滅私奉公的な考えも未だ根深く残っているため、事実上これらが転職の足枷となっている。 日本では上記に挙げた制度・考えを前提にしたキャリア形成を前提としている。そのため本人の人格やスキル以上に同じ企業に長く勤めていること、会社や上司による一方的な転勤命令やしごきなど受ける側にとって苦痛や理不尽ともされるものであっても反発せず我慢して従うことがプラス評価となる。つまり退職を伴う転職そのものがプラス評価の逆となってしまうのである。 純粋なキャリアアップなど志望者の事情が考慮されるケースがまったくないわけではないが、大半は本人には回避不可能な不可抗力を含めたいかなる理由でも転職(退職)歴があること自体を俗に「履歴書を汚す」と呼ばれ、転職は事実上待遇や収入、労働条件を下げることが前提となっているのが実情である。 調査によると、「転職は3回まで許される」と言われている。リクナビNEXTが企業の人事担当とキャリアアドバイザーに対して行ったアンケートでも、「転職歴は3回目から気になる」という回答が全体の36%と最も多くなっている。また企業の人事担当に対して行った別のアンケートでは、「転職活動が多いとマイナスの印象を受ける」という回答が91%にも達している。
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