日本の社会構造・行政組織の連携不足による連鎖反応の放置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:28 UTC 版)
「日本における自殺」の記事における「日本の社会構造・行政組織の連携不足による連鎖反応の放置」の解説
清水康之は「日本の社会には、人々が生きづらくなるような社会的な悪条件や困難が多い」と指摘しており、本人が死を積極的に選んでいるというわけではなく、死を選ばざるを得ない状況に追い込まれて亡くなっていると指摘している。 要因は「将来についての不安や絶望」「家族からの虐待や周囲からのいじめ」「過重労働」「貧困」「介護疲れ」「孤独」などで、自殺に追い込まれるプロセスを分析すると、自殺した人はこれらのさまざまの要因を平均で4つ抱えていた。 また、日本の社会は、人に悪条件が複合的に(あるいは連鎖的に)のしかかってくるような構造が放置されており、失業者に対する生活支援策は少ない。その結果、多重債務を抱えることになり、失業や多重債務に陥った人々に対して精神的なケアをする組織が少なかったり、その連絡先の広報・周知徹底がなされておらず彼らがたどり着くことが少なく、うつ病になり、うつ病に追い込まれたために再就職がなお一層難しくなり、自殺に追い込まれる、というような経路がある。 また日本では高等学校中退 → 不安定な職にしか就けない状況 → 経済的困窮・借金 → 家庭内の人間関係の悪化 → 自殺、というような複合的(連鎖的)なことも起き易い。 あるいは、子供のころ虐待される → 結婚して家族からの暴力をきっかけに精神疾患に → 離婚 → 経済的困窮 → 自殺、といった連鎖もある。
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