日本における用語の変遷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 01:04 UTC 版)
日本におけるフォレンジック・サイエンス (forensic science) の訳語については、1974年当時の論文などから「総称としての犯罪科学 (criminalistics) の結果は、裁判上の証拠として法廷に提出され、判決に重要な影響を及ぼす使命を持つため、『法科学(または裁判科学)(forensic science)』とも呼ばれる」 という表記が見受けられ、1986年の出版物でも「裁判科学」 との表記が見受けられる。そのほかには個別に著者が「法廷科学」 や「司法科学」 といった訳語をあてる場合もあった。 2005年(平成17年)には、「日本鑑識科学技術学会」の「鑑識」の語句から「学会の活動が、警察の行っている鑑識活動の範囲に限定された印象を与えかねない」とし、「学会の学術分野・活動を適切に表現して、世界的にも一般に用いられている語句としては、『法科学』が最適」と「日本法科学技術学会」への名称変更が行われた。 現在では、警察庁の科学警察研究所においても「法科学」の各部にそれぞれ各分野の研究室が整備され、「法科学研修所」 も設置されている。 なお、日本の「法医***」などの医学系については、「法科学」という用語が日本で定着する前から存在していたため、法医系と司法精神医学は(それぞれ学会名としても以前より存在しており)、そのままとなっている。その関係で、今でも古い翻訳ソフトでは「フォレンジック・***」をすべて「法医***」と誤訳するものも残っている。中には「フォレンジック・ケミストリー(法化学)」を「法医学」としてしまう翻訳サービスまであるため注意が必要である。
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