日本での人痘法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/10 06:49 UTC 版)
「種痘」は、天然痘の自然流行に備えて、そのウィルスを予め人体に感染させ、抵抗力を準備させておくという療法で、今日でいう「免疫療法」のはしりである。 中国では、同じ考え方に基づいて、天然痘患者の「痘(おでき)」の膿汁や瘡蓋を治療の材料(「痘苗」と呼んだ。)に使った「人痘種痘法」(以下「人痘法」)が古来行われており、中国の古医書には、すでに「種痘」の用語があり、その手法説明の中に、「水苗種法」「旱苗種法」「痘苗」「選苗」「補種」などの表現が用いられており、種痘が植物の栽培と同じような観念で捉えられていたことを示す。 ちなみに、人痘法の時代から、「種」は「植」と同義で用いられ、「痘(おでき)を植えつける」という意味で「種痘」と表現されていたようだ。現に、後述する「牛痘種痘法」(以下「牛痘法」)について、昭和の半ば過ぎまでも「植え疱瘡」という呼び方があったことと符合する。また、その伝来当時には、「種痘」は「接痘」ともいわれていたが、それは、種痘の根拠説明について「庭木の接ぎ木の考え方に例えて、オランダ人が『接』を用いている」からだともされていた。今日常用される言葉、予防「接種」に繋がる表現である。
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