新造の背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 09:06 UTC 版)
本系列の導入前は、常磐緩行線と帝都高速度交通営団(現:東京地下鉄)千代田線との相互直通運転用に、国鉄では103系1000番台を直通開始当初から運用していたが、抵抗制御であるため加速時や発電ブレーキでの廃熱が地下鉄トンネル内の温度上昇をもたらしていた。さらに、主抵抗器が冷却扇を持たない自然通風方式であったこと、同様に抵抗制御車の運用されていた東西線とは異なり、比較的長い単線トンネル区間を高速で走行するため走行風による主抵抗器の冷却がほとんど期待出来ず、主抵抗器の発熱による車内の温度上昇や、主制御器の誤作動、床下機器の劣化があったこと、営団との協定の起動加速度が性能の限界だったため、重量増となる冷房装置が搭載できないこと、などの問題点があった(常磐緩行線#複々線化の沿革と問題も参照)。また、電機子チョッパ制御や回生ブレーキを採用する営団6000系電車に比べて消費電力が大きく、国鉄は営団車との電力消費量の差額を営団に支払うよう会計検査院から指導を受けていた。このような経緯もあり、営団側からも国鉄に対し、早期のチョッパ制御化を望む申し入れがなされていた。
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