新旧のライバルたち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 04:01 UTC 版)
「キャリーバック」の記事における「新旧のライバルたち」の解説
5月になって、それまで休養していたケルソがようやく始動してきた。そのケルソ陣営が年初戦に選んだ競走が5月30日のメトロポリタンハンデキャップであったが、そこにはキャリーバックも同年の初ステークス勝ちを懸けて登録していた。 前年引退したエディ・アーキャロに代わって名手ウィリー・シューメーカーを鞍上に据えたケルソは、133ポンド(約60.3ポンド)を積まれながらも単勝1.6倍の断然人気に支持されていた。しかしこの競走を制したのはキャリーバックで、アケダクト競馬場における1マイルのトラックレコードのおまけつきで、ケルソを相手にしての大金星を挙げた。このときのキャリーバックが背負っていた斤量はケルソより10ポンド軽く、初めてハンデキャップ戦で斤量に恵まれる結果となった。またこの競走での勝ちにより、キャリーバックの獲得賞金は100万ドルの大台に達した。 キャリーバックとケルソの再対決は、ニューヨークハンデキャップ三冠第2戦のサバーバンハンデキャップであった。たったの4頭立てで行われたこの競走において、キャリーバックは126ポンドを積まれて2番人気、ケルソは132ポンドを積まれて1番人気に支持されていた。しかしこの競走を制したのは逃げ馬ボーパープルで、ケルソは2着、キャリーバックは最下位4着に沈んだ。 ボーパープルはその後もハンデキャップ差を味方につけて、キャリーバック・ケルソを相手に対等に立ちまわり、実力差がありながらもこの時期の「三強」の一角となる奇妙な関係を作っていった。サバーバンハンデキャップから10日後、モンマスパーク競馬場で行われたモンマスハンデキャップでこの3頭は再び轡を並べ、ここではキャリーバック(124ポンド)がモンマスパークの10ハロン(約2012メートル)のトラックレコードで優勝し、ケルソ(130ポンド)が2着、逃げを打てなかったボーパープル(117ポンド)が3着に入った。 ケルソはこの頃にウイルス性の疾病にかかってしまい、休養のため続くブルックリンハンデキャップには参戦せず、そのためキャリーバックは久々に8頭立てのなかでトップハンデ(127ポンド)となった。レースではボーパープル(116ポンド)が後続に3馬身半差をつけて軽快に逃げ切り、アケダクトの10ハロントラックレコードで優勝を飾った一方、キャリーバックは4着に終わっている。 8月4日に迎えたホイットニーステークスは久々にケルソやボーパープルのいない競走で、代わってクラシック路線でのかつてのライバル・クロージャーとの対決であった。130ポンドを背負っての出走であったが、19ポンド軽いクロージャーを破って優勝を果たしている。続くアケダクト競馬場の一般戦ではナイター競走を経験し、133ポンドを積まれながらもボーパープル(127ポンド・最下位4着)ら後続を8馬身突き放して快勝した。 9月3日に出走したアケダクトステークスは、クロージャーなどを含む4頭立てで行われた。ここでは14ポンド差を得たクロージャーが優勝し、128ポンドを積んでいたキャリーバックは先頭から1馬身差ながらも最下位4着に敗れている。
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