新方式符号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 03:06 UTC 版)
符号は発見が報告された年、月、発見報告順を元にしてつけられる。たとえば、ヘール・ボップ彗星の場合は「C/1995 O1」(シー/1995 オー1)と記載される。 最初の「C/」は「Comet」を意味し、発見報告直後のすべての彗星にはこの符号がつけられる。発見報告後の観測により、周期彗星(なお、本節に限り、「周期彗星」を「公転周期200年以下または複数の近日点通過が観測された彗星」と定義する)だと分かった場合、記号は「P/」(Periodic)に変更される。周期彗星でない場合は「C/」のままである。また、消滅した、または、長期間観測されない周期彗星には「D/」、軌道を求めることができなかった彗星には「X/」をつける。2006年7月時点、「D/」がついた彗星は24個、「X/」がついた彗星は54個ある。 「1995」は、発見が報告された年を表す。 「O」は発見が報告された時期を表す。1月前半(15日まで)が「A」、1月後半(16日から)が「B」、というように、1年を24に分けて表す。ただし、「I」は「J」や「1」と紛らわしいので飛ばし、「Z」は使わない。この規則は、小惑星と共通である。 「1」は、その時期の中での発見報告順を表す。ヘール・ボップ彗星は、1995年7月後半に発見が報告された最初の彗星であることが分かる。 彗星が分裂した場合、「-A」「-B」などが末尾につけられる。 2回目の回帰が観測された彗星、または遠日点でも観測できる彗星、あるいは4回の衝が観測されたケンタウルス族彗星には、「P/」(または「D/」)の前に公式通し番号がつけられる。たとえば、スパール彗星が回帰して2005年に再発見されたときの符号は「171P/2005 R3」で、同時に、最初の発見は「P/1998 W1」から「171P/1998 W1」に変更された(再発見には別の符号がつくことに注意)。複数回の発見を区別する必要がないときは、「171P/Spahr」と表現される。2010年9月現在、244P/Scotti まで番号がつけられている。1994年以前の彗星にも、新方式符号がさかのぼってつけられる。たとえば、前述のベネット彗星の新方式符号は「C/1969 Y1」となる。つまり、1994年以前の彗星は、符号が3つあるということになる。 なお、従来は発見者が発見した順に「テンペル第1彗星」「ヴィルト第2彗星」というように番号(接尾数字)がつけられていた(接尾数字と、公式通し番号の順とは一致しない)が、1995年頭より新発見の彗星には接尾数字がつけられなくなり、2000年には過去の彗星からも接尾数字が廃止された。
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