文化的論争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/06 09:39 UTC 版)
同性愛を病理と考える差別的立場から、同性愛の「治療」が行われてきたが、それでも同性愛者らの性的指向を変えることはできなかった。そのような歴史から、多くの研究者は性的指向が生涯不変のものであると考えていた。しかしダイアモンドによって開始された性的流動性の研究は、時間の経過によって性的指向の変化が生じる可能性を提示した。これによって、LGBTコミュニティでの論争を巻き起こした。性的指向が常に安定しているとは限らないという主張は、性的指向が固定的で不変であると信じているLGBTコミュニティ内の多くの人々の見解に対抗するものである。 性的流動性についての研究者のなかには、LGBTコミュニティのメンバーである人もいる。たとえばダイアモンドはレズビアンであり、Ritch C. Savin-Williamsはゲイである。また、性的流動性のある人や性的指向のアイデンティティが変化する人が、LGBTコミュニティから現れることもあり得る。その例としてビル・デブラシオの妻でもあるChirlane McCrayが挙げられる。彼女は1979年にレズビアンとしてカミングアウトするエッセーを書いてから34年後に、男性と結婚することを語った。彼女は自身が「単なるラベル以上である」として、彼女自身が突然男性へと性的に惹かれたのではなく、むしろデブラシオに惹かれたのだと述べた。 男性の間では性的流動性が「作用する」のか、するならばどのように「作用する」のか、という問題や、男性バイセクシュアルにおける性的興奮の変動についての問題など、ほかにもいくつかのレベルの論点がある。
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