教材としての採用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/01 16:41 UTC 版)
『くまの子ウーフの童話集』は長きに渡って教材として小学校の国語の教科書に掲載されてきた。光村図書では昭和52年度版の小学2年生の教科書に『ウーフは おしっこでできてるか??』を採用し(題名は『くまの子ウーフ』)、その後掲載タイトルを『おかあさん おめでとう』に変えながら昭和64年度版(平成元年度版)まで掲載、平成12年度版で再度掲載している。日本書籍では昭和52年度版から『くま一ぴきぶんは ねずみ百ぴきぶんか』を昭和58年度版まで小学3年生の教科書に掲載。昭和61年度版からは小学2年生の教科書に『ウーフは おしっこでできてるか??』を掲載、平成12年度版まで教材として掲載している。大阪書籍では小学1年生の教材として『ぴかぴかのウーフ』を平成元年度版から平成17年度版まで掲載している。学校図書は平成8年度版から平成17年度版まで『くま一ぴき分はねずみ百ぴき分か』を小学2年生の教科書に掲載している。教育出版では平成14年度版に『ちょうちょだけに、なぜなくの』が採用されている。 複数の教科書で長い間、教材として利用されてきた理由として、読むことと心情理解を重視する日本の国語教育に合致していたという分析がある。『ウーフは おしっこでできてるか??』はタイトルが興味を惹きつけるものとなっており、児童が読まされるのではなく自ら進んで読むことにつながり、その内容の楽しさが読むことへの積極性を高める。また、ウーフの考えを推し量るに当たって、自由な発想を許す内容であることも、子供の想像力を高める点で教科書に採用されてきた理由の一つとする分析がある。しかし、『くまの子ウーフ』の巻頭を飾る『さかなには なぜしたがない』は一度も教科書に採用されておらず、これは自分に自信を持てず、他人をうらやみ、楽することばかり考える「子供らしい」ウーフが、大人の求める純真無垢な「子供らしさ」に合わないからだとの考察がある。また、限られた時間の授業現場では子供たちが理解し、共感しやすい作品が求められ、『くまの子ウーフの童話集』の中でも道徳的で分かりやすい作品が教材として採用されているという意見もある。
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