擬似白色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 21:41 UTC 版)
目の赤-緑錐体の視感度のオーバーラップを利用して、黄色の波長にスペクトルを集中した光を使うと一つの波長の光で赤と緑の両方の錐体に感受させることができる。これに青を加えると、実際には青と黄色との二つの波長の2原色しかなくても、人間の目には青、緑、赤の光を感じたことと同じ結果になり、白色を得ることができる。これを擬似白色という。赤と緑に別々のエネルギーを必要としないので、少ないエネルギーで視感度上は相当に発光効率の良い光源を得ることができる。擬似白色のスペクトルは概ね2原色なので、被照体の色は太陽光下における色とは相当に異なる結果となるが、色彩の正確さをさほど必要としない照明用途においては有効である。この原理を利用して少ないエネルギーで高い発光効率を得ているものが青黄色系の擬似白色発光ダイオードである。なお、擬似白色というものは必ずしも青黄色の2原色を意味するものではなく、蛍光体から発せられる赤から緑に至る様々な波長の混合が結果的に黄色に見える黄色光とダイオード自体から発せられる青色光を混合して擬似白色光を得るもの一般を言うが、人間の目にとって100 lm/Wを超えるような特に明るく見えるものは黄色光のスペクトルを強くしたものである。
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