擬似逆行列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/26 02:52 UTC 版)
ムーア-ペンローズの擬似逆行列(ぎじぎゃくぎょうれつ、pseudo-inverse matrix)は線型代数学における逆行列の概念の一般化である。擬逆行列、一般化逆行列、一般逆行列(英: generalized inverse)ともいう。また擬は疑とも書かれる。
連立一次方程式の解を簡潔に表現するものとして逆行列の概念は重要であり、逆行列を持つ行列は、可逆あるいは正則であると言われる。正則でない行列の場合にも逆行列のような都合のよい行列として擬逆の概念を導入する。ロボット工学に関していうならば、動特性の同定や冗長ロボットの制御などで良く用いられている。
定義
m × n 行列 A に対し、A の随伴行列(複素共軛かつ転置行列)を A* とするとき、以下の4条件を満足する n × m 行列 A+ はただ一つ定まる:
- A と A+ は互いに広義可逆元である:
- 「ロボット制御基礎論」(著者:吉川恒夫)
- Harville, David A (1997). Matrix algebra from a statistician's perspective. Springer-Verlag. ISBN 0-387-94978-X. MR1467237. Zbl 0881.15001
- 岩井斉良『基礎課程線形代数』学術図書出版社、1995年。ISBN 978-4-87361-194-5。
関連項目
擬似逆行列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 17:38 UTC 版)
特異値分解を用いて、擬似逆行列を計算することができる。行列 M の擬似逆行列は、その特異値分解 M = U Σ V ∗ {\displaystyle M=U\Sigma V^{*}} を用いて M + = V Σ + U ∗ , {\displaystyle M^{+}=V\Sigma ^{+}U^{*},\,} と表せる。ここに Σ+ は、Σ の零でない成分の逆数を成分とする行列の転置である。この擬似逆行列を用いて、線形最小二乗法を行うことができる。
※この「擬似逆行列」の解説は、「特異値分解」の解説の一部です。
「擬似逆行列」を含む「特異値分解」の記事については、「特異値分解」の概要を参照ください。
擬似逆行列と同じ種類の言葉
- 擬似逆行列のページへのリンク