握り寿司の赤酢を白酢へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 01:58 UTC 版)
江戸前握り寿司の材料として欠かせない酢は、発祥時は米酢が後に初代中野又左衛門により粕酢(赤酢)が使用され、赤酢と塩のみで合わせ酢を作り砂糖を使用しないのが伝統的な江戸前寿司の製法であった。ところが、現在では白酢を使い、塩のほかに砂糖を混ぜて合わせ酢にするのが一般的になっている。黄変米事件がこの変化の原因の一つとなっている。 赤酢を使うと寿司飯には酢の色が移りほんのり赤みを帯びる。ところが黄変米事件で神経質になっていた客が寿司飯の色から黄変米混入の疑念を持ち、寿司店への苦情が相次いだ。寿司店では対応に苦慮した結果、多くの店が赤酢から白酢に酢の種類を切り替えた。しかし、コクがある赤酢に比べ白酢はあっさりしすぎていたため、寿司飯とネタのバランスが上手く取れなくなってしまった。コクを補うために砂糖を合わせ酢に入れる事が一般的になり現在の寿司飯の製法になったと言われている。 ただし、赤酢から白酢への変換は黄変米のみが原因ではなく、戦後の物資難のために赤酢自体の供給が不足した為でもある。
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