掩蔽観測による発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 04:57 UTC 版)
「ラリッサ (衛星)」の記事における「掩蔽観測による発見」の解説
ラリッサは、ハロルド・J・ライツェマ、ウィリアム・B・ハバード、ラリー・A・レボフスキ、デイビッド・J・ソーレンによって、1981年5月24日に星の掩蔽を利用した地上からの観測により発見された。1981年1月の時点で海王星がある恒星と5月24日に見かけ上非常に接近することが予測されており、それを受けての観測であった。この予測では恒星は海王星に衝突径数 1.9 で接近する (つまり海王星自身はこの恒星を掩蔽しない) とされており、大気や海王星の環などの惑星周辺の観測をすることが主目的であった。 2箇所の望遠鏡を用いた観測では、8.1秒間にわたる 3-4% の1回の減光が測定された。海王星の大気による掩蔽の場合は少なくとも1分程度の減光が起きるはずであること、また環による掩蔽であれば2回減光が発生するはずであることから、この減光は海王星の衛星によるものである可能性が高いと考えられた。また偶然視線上に入り込んだ小惑星である可能性も極めて低いと結論付けられた。この発見は同年5月29日の国際天文学連合のサーキュラーで公表され、S/1981 N 1 という仮符号が与えられた。また観測の詳細は、海王星の3番目の衛星の可能性がある天体として、1982年1月15日付けのサイエンス誌に発表された。 この時に観測されたのは掩蔽であり、衛星の直接的な検出や継続的な観測が行われていないため、軌道要素は確定しなかった。
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