捜査手順
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 09:56 UTC 版)
「ホミサイド/殺人捜査課」の記事における「捜査手順」の解説
事件発生にあたって、刑事が自分自身の意思で捜査担当を志願する例はごく稀である。殺人課への通報に対応した刑事が自動的にその事件を担当する事となるのだ。むしろ、それぞれの担当事件で手一杯の際には、誰一人として電話を取りたがらない事が珍しくない。こうした現状は、殺人課の人員不足を如実に物語っている。 殺人課の刑事は、原則として二人一組で行動する。一方が、“メイン”として捜査指揮を執り、もう一方は、“サブ”としてそれを補助するのである。とはいえ、“メイン”と“サブ”の役割は固定されているわけではない。お互いそれぞれの担当事件を捜査しつつ、相棒の捜査活動にも協力するのである。 “メイン”の刑事は、担当事件における被害者の姓を、オフィスのホワイト・ボードに赤色のマジックで、記入しなければならない。“ボード”と通称されるこのホワイト・ボードを見れば、各刑事の担当事件は一目瞭然である。やがて、事件が解決すると被害者の姓は黒色のマジックで書き改められる。つまり“ボード”があれば、各刑事の事件解決率や、捜査状況をも一覧できるのである。 任意同行に応じた参考人や、連行された被疑者は、まず待合室に留め置かれる。この待合室は、一面ガラス張りであるがゆえに“金魚鉢”と渾名されている。やがて、衆人環視の“金魚鉢”を経て、参考人および被疑者は取調室へと案内される。四角四面の取調室もまた“ボックス”の別名を有している。“ボックス”と隣室の境を隔てる壁面にはマジック・ミラーがはめ込まれている。参考人および被疑者は、取り調べの担当刑事ばかりでなく、隣室に控える刑事からもその言動を逐一観察されるのである。 犯罪都市のボルチモアとはいえ、その事件を解決するのは派手な銃撃戦やカー・チェイスではない。結局のところ、最後にものを言うのは刑事と犯罪者生身の人間同士が、“ボックス”で繰り広げる、壮絶な心理戦なのである。
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