指数の評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/15 09:49 UTC 版)
工程能力指数は、その大きい数字ほど望ましい能力を持っていることを表すように定義されている。評価値が0付近または0以下であれば、製品の特性が目標値と異なっている(μがTと大きく異なる)か、ばらつきが大きすぎるかである。 両側規格に対して C ^ p = 1.00 {\displaystyle {\hat {C}}_{p}=1.00} であればμ±3σのばらつきが規格幅と一致していることを示すが、偏差にも変動がありうることを考慮すると、さらに±1σの余裕をもうけて少なくとも C ^ p > 1.33 {\displaystyle {\hat {C}}_{p}>1.33} とするのが好ましい。例えば自動車業界では、AIAGが、出版している『生産部品承認プロセス』(PPAPのマニュアル)で、指数が1.67より大きければ承認基準に達しており、1.33より小さければ承認基準に達していないとしている。 受け入れ可能なCpkの最少値をどのように設定するかは個人的見解に左右される部分があり、産業分野の違いや、どのような工程を構築するかによっても異なる見解がある。そのため、こうした評価基準にも議論の余地がありうるし、適切な査定方法がまだないという理由により、評価が省略されるような工程もありうることには注意が必要である。 工程能力は仕様と深い相関があるため、工程能力指数評価の重要さと仕様の重要さは同等である。もし、仕様の基になるガイドラインが部品の機能性や危険性を考慮していないならば、それについての工程能力を評価する意味はない。一方で仕様から外れた特性を持つ部品のもたらす危険について焦点が当てられているならば、工程能力の評価をすべきである。田口の損失関数がその考え方を良くあらわしている。 ある専門家による下限値の推奨値を表2に示す。 表2 推奨される下限値状況両側規格の場合片側規格の場合既存の工程 1.33 1.25 新規の工程 1.50 1.45 既存の工程(危険性を左右する特性) 1.50 1.45 新規の工程(危険性を左右する特性) 1.67 1.60 シックス・シグマ 2.00 2.00 2.5以上の値は無意味である。生産コストに跳ね返るので過剰に精度を追求するようなことをしてはならない。
※この「指数の評価」の解説は、「工程能力指数」の解説の一部です。
「指数の評価」を含む「工程能力指数」の記事については、「工程能力指数」の概要を参照ください。
- 指数の評価のページへのリンク