折衷学派とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 言葉 > 表現 > 折衷 > 折衷学派の意味・解説 

折衷学派

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/12 06:20 UTC 版)

折衷学派(せっちゅうがくは)とは、江戸中期の儒学の一派[1]古学朱子学陽明学など先行各派の諸説の長所のみをとるという折衷穏当な説を唱えた学者たちの総称[2]。学派といっても朱子学派のように一定の学説に基づく流派ではなく「一人一学説」が特色[3]

古学派全盛の後、18世紀後半、当時高名の儒者10人のうち8、9人は折衷学といわれるほど流行した[3]。代表的な学説は、折衷学の提唱者である井上金峨の『経義折衷』(1764年)、片山兼山の『山子垂統』(1775年)等にうかがえる[3]。全体の傾向として、特に徂徠学派(古文辞学派)を批判し、朱子学的な倫理重視の思想への回帰が見られる[4]。折衷学派の自由な学風は、寛政異学の禁1790年)で禁圧対象となったが、折衷的学風はその後の儒学界に深く影響し、またその文献実証の方法は幕末の考証学派に受け継がれた[4]

人物

関連項目

脚注

  1. ^ 小学館 デジタル大辞泉. “折衷学派”. コトバンク. 2018年3月22日閲覧。
  2. ^ 三省堂 大辞林 第三版. “折衷学派”. コトバンク. 2018年3月22日閲覧。
  3. ^ a b c 平凡社 世界大百科事典 第2版. “折衷学派”. コトバンク. 2018年3月22日閲覧。
  4. ^ a b 衣笠安喜/小学館 日本大百科全書(ニッポニカ). “折衷学派”. コトバンク. 2018年3月22日閲覧。
  5. ^ 町泉寿郎 著「日本漢学略史―日本における中国学術文化の〝学び〟―」、二松學舍大学文学部中国文学科 編『改訂新版 中国学入門: 中国古典を学ぶための13章』勉誠出版、2017年。ISBN 978-4585200567 178頁




折衷学派と同じ種類の言葉

このページでは「ウィキペディア」から折衷学派を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から折衷学派を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から折衷学派 を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「折衷学派」の関連用語

1
皇漢医学 デジタル大辞泉
100% |||||

2
片山北海 デジタル大辞泉
92% |||||




6
井上金峨 デジタル大辞泉
70% |||||

7
太田錦城 デジタル大辞泉
70% |||||

8
片山兼山 デジタル大辞泉
70% |||||

9
猪飼敬所 デジタル大辞泉
70% |||||


折衷学派のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



折衷学派のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの折衷学派 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS