成長産業の選別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 06:36 UTC 版)
エコノミストの高橋洋一は「経済産業省の『ターゲット・ポリシー』は産業選別という意味で、日本国外では通用しない。特定の産業の選別はえこひいきとなるし、そもそも政府に成長産業を選び出す能力がない」と指摘している。 エコノミストの高橋洋一は「ビジネスに疎い役人が支援すべき成長産業を選別するというところに原理的な矛盾がある。産業政策手法の根本的な欠陥は、需要サイドではなく供給サイドに政府支援を行うことである」「『産業政策』は、先進国では例がない。政府がミクロ的な介入をするだけの能力がないからである。『産業政策』に相当する政策は開発途上国での『幼稚産業保護』くらいしかない」と指摘している。 経済学者の原田泰は「政府が将来発展しそうな産業を選んで、補助金を与えるのが成長戦略と考える人が多いが、そのような産業政策で成長率を高めることはできない。政府に成長産業を選ぶ能力がない。政府がそのような能力をもっているくらいなら、民間がとっくに投資している。政府の補助金を期待して、民間はそれを待とうと思ってしまうが、それでは世界のライバルに追いつかない」と指摘している。 エコノミストの杉浦哲郎は「『5年先、10年先にこの産業が伸びる』と、政府が決めつけること自体がおかしいく、そんなものがわかるはずもない。産業界・個別の企業が必死に考え、試行錯誤する中から成長産業や技術が市場で自発的に生まれてくるし、それが生まれ易い仕組みや環境をつくることこそ、政府の仕事である」と指摘している。 エコノミストの安達誠司は「政府が有望産業を指定することで利権が発生する誘引が存在し、経済効率を悪化させる可能性がある(レントシーキング)」と指摘している。
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