成長株と金利の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/16 09:12 UTC 版)
ファイナンス理論の観点からは、理論株価は、 株価=配当/(金利+株式リスクプレミアム-成長率) という簡略化した計算式により算出されることから、金利の上昇は、特に高バリュエーションのグロース株の騰落率に、マイナスに作用するとされる。但し金利の上昇は、すなわちインフレ率の上昇、ひいては経済成長への期待の高まりを意味するため、一時的に相対リターンが悪化することはあるにせよ、必ずしもマイナスに作用するとは言えず、金利水準でグロース銘柄の株価水準を説明することは妥当ではないとする見解も存在する。 クレディ・スイスは、2021年4月までの1年間において、5年物ブレークイーブン・レートの変化率に基づくインフレ期待が高まるのと同時に、株価指数のリターンもプラスになっていることを指摘している。 これに対して、ロイトホルト・グループのチャン・ワンは、米消費者物価指数(CPI)とMSCI米国指数の株価収益率(PER)の過去の関係に基づき、インフレ高進は、歴史的にバリュエーションの低下と相関していると指摘しているが、この関係は弱まりつつあることも認めざるを得ないとしている。 日興アセットマネジメントのチーフ・ストラテジストである神山直樹は、2009年3月から2021年2月までの143ヵ月のうち、日本で長期金利(10年国債利回り)が上昇した月は58回、そのうち日経平均株価が上昇した回数は48回で83%、米国でも、長期金利が上昇した月にS&P 500が上昇した月は58回で74%に達することを挙げ、金利上昇と株価下落に因果関係はないと指摘している。
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