意図的免疫抑制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 04:28 UTC 版)
詳細は「免疫抑制薬」を参照 免疫抑制薬の投与は、意図的に免疫抑制を誘導するための主な方法である。最適な状況では、免疫抑制薬は主に免疫系の過活動成分を標的とする。免疫抑制薬が必要ながんの寛解期にある患者が再発する可能性は高くない。放射線療法は、その歴史の中で、免疫力を低下させる為にも用いられて来た。ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のジョセフ・マレー博士は、免疫抑制に関する研究で1990年にノーベル生理学・医学賞を受賞している。 免疫抑制薬は免疫不全を引き起こす可能性があり、日和見感染症の罹患率を高めたり、免疫のがん監視機能を低下させたりする。免疫抑制薬は、自己免疫疾患等で正常な免疫反応が望めない場合に処方される事がある。 ステロイドは最初に発見された免疫抑制薬の一種であるが、初期の化合物には副作用があり、その使用は制限されていた。副作用がより少ないアザチオプリンは1960年に発見され、1980年にシクロスポリン(アザチオプリンと併用)が発見されたことにより、ドナーとレシピエントの適合性が低いペアへの臓器移植が大幅に拡大され、肺移植、膵臓移植、心臓移植にも広く適用されるようになった。 臓器移植後、ドナーとレシピエントの間のヒト白血球型抗原の違いにより、身体はほぼ必ず新しい臓器を拒絶する。その結果、免疫系が新しい組織を「異物」と認識し、白血球で攻撃して除去しようとする為、提供された組織が死滅してしまう。拒絶反応を防ぐために免疫抑制薬が投与されるが、治療中は感染症や悪性腫瘍に罹り易くなる。
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