意図的な誤謬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 18:43 UTC 版)
意図的に作った謬論を一種のジョークとして楽しむ事ができる。 【定理】 4 = 3 {\displaystyle 4=3} である。 【証明】 a + b = c {\displaystyle a+b=c} とすると、次のように変形できる。 4 a − 3 a + 4 b − 3 b = 4 c − 3 c {\displaystyle 4a-3a+4b-3b=4c-3c} 適宜移項して、 4 a + 4 b − 4 c = 3 a + 3 b − 3 c {\displaystyle 4a+4b-4c=3a+3b-3c} 因数分解し、 4 ( a + b − c ) = 3 ( a + b − c ) {\displaystyle 4(a+b-c)=3(a+b-c)} 両辺から同値の部分を消去すると次式を得る。 ∴ 4 = 3 {\displaystyle 4=3} Q.E.D. 両辺を 4 ( a + b − c ) = 3 ( a + b − c ) {\displaystyle 4(a+b-c)=3(a+b-c)} で割るには、 a + b − c ≠ 0 {\displaystyle a+b-c\neq 0} であることが必要である。しかし仮定として a + b − c = 0 {\displaystyle a+b-c=0} としているため両辺から同値の部分を消去する(両辺を a + b − c {\displaystyle a+b-c} で割る)ことはできない。 髪の毛がない人はハゲである。ハゲに1本加えてもやはりハゲである。よって数学的帰納法より、全ての人はハゲている。 以上のような論法の起源は、古代ギリシャの哲学者ミレトスのエウブリデス (en) が作ったとされる「ハゲ頭のパラドックス」 (Paradox of the Bald Man)に帰せられる。これは砂山のパラドックスの起源としても知られる。
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