急性心筋梗塞モデル:
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/11 05:34 UTC 版)
「ミューズ細胞」の記事における「急性心筋梗塞モデル:」の解説
急性心筋梗塞モデルのウサギに骨髄由来ミューズ細胞を静脈経由で自家移植・他家移植・異種移植(ヒト)すると、3日目ですでに投与された細胞の14.5%程度が梗塞部へと選択的に遊走・生着することが認められた。ミューズ細胞はS1P (sphingosine monophosphate) receptor 2を使い、傷害部位から産生されたS1Pに向かって遊走することで、静脈投与であっても選択的に傷害部位に集積できると考えられる。遊走・生着後、ミューズ細胞は自発的にcardiac troponin-I, sarcomeric α-actinin, connexin-43陽性の心筋や血管の細胞へと分化していた。また、GCaMP3を導入したミューズ細胞は、心電図と同期してGCaMP3蛍光のオンオフが確認されたことから、ミューズ細胞が生理学的に機能性を持つ心筋細胞へと分化し、周辺のホストの心筋細胞とも連結をしていることが示唆された。ミューズ細胞を移植した場合の梗塞サイズは、コントロール群と比較して52%程度減少(骨髄間葉系幹細胞MSC移植群と比べて2.5倍の縮小)し、心拍出量ejection fractionは38%程度増加(MSC移植群と比べて2.1倍の増加)した。ウサギーウサギの他家移植およびヒトーウサギの異種移植でもミューズ細胞は損傷部位に生着し、心筋細胞に自発的に分化することで機能回復に貢献していた。中でも他家移植の場合には、免疫抑制剤なしで最長6カ月の間、組織に心筋細胞として生着し続け、機能回復に貢献し続けていたことが確認されている。
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