急性好酸球性肺炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 14:35 UTC 版)
急性好酸球性肺炎(Acute Eosinophilic Pneumonia: AEP)は、急性の経過で発症して重症呼吸不全を呈する、予後良好な好酸球性肺炎。これは、1989年にAllen、Badesch らによって提唱された新しい疾患概念で、喫煙や薬剤、寄生虫などの関与が疑われている。一般的には若い男性に多く、禁煙者が喫煙を再開した直後、あるいは新しい薬剤の投与を開始した直後の発症が見られるほか、加熱式たばこにより発症した事例が報告されている。 症状は重篤で、動脈血酸素分圧が60Torr以下と重度の低酸素血症を呈する。胸部X線写真においては肺にびまん性ないしすりガラス状陰影を認め、気管支肺胞洗浄液(BALF)においては好酸球が大きく増多(25%以上)する一方で、末梢血中の好酸球は軽度上昇ないし正常範囲内となる。また、肺生検においては好酸球浸潤が認められるほか、びまん性肺胞障害(DAD: diffuse alveolar damage)像を呈することもある。 その一方、ステロイド薬に対する反応性は極めて良好で、プレドニゾロン換算で40〜60mg/日(順次漸減)を投与するという標準的な治療を行なった場合、少なくとも1週間以内に改善を認め、ステロイド中止後も再発はまれである。また、自然軽快した例も認められている。
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