思想・体系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 03:33 UTC 版)
貿易と国家の繁栄を結びつける思想は、イタリアの諸都市において15世紀には存在していた。フィレンツェ共和国の外交官でもあったニッコロ・マキャヴェッリの『リウィウス論』や『君主論』、イエズス会の司祭であるジョヴァンニ・ボッテーロ(英語版)が書いた『国家理性論』において、そうした思想が展開されている。16世紀以降になると、ヨーロッパ各国で、貿易での優位が国内の利益につながると考えられるようになった。 17-18世紀のイギリスで隣国の発展を脅威と捉える人々が現れ、重商主義という経済思想が形成された。重商主義の主な考え方は、輸出はその国に貨幣をもたらすが輸入はもたらさないため、輸出は良いが輸入は良くないというものである。重商主義の基礎には近代国家があり、それを支える感情は愛国心、ナショナリズムである。重商主義は自国と他国を比較し、国家間に敵対関係を想定するものであった。 重商主義は、アメリカ合衆国の初期の経済学派であるアメリカ学派や、アメリカ・システムをはじめとする19世紀の経済政策にも影響を与えた。
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