復元目的の着色化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 03:14 UTC 版)
1970年代初頭にカラーで制作されたイギリスのテレビ番組は、予算節約のためにテープが使い回されたため、残っていないことが多い。しかし、カラーテレビの普及していない国々への輸出用に白黒フィルムに変換されたものが残されている場合がある。 そのひとつに『ドクター・フー』の5話にわたるエピソードThe Dæmonsがある。全5話のうち、カラーで残っているのは1話分だけで、ほかは白黒フィルムでしか残っておらず、カラーでの記録はアメリカで放送された短縮版を録画した低品質のものがあるだけだった。1990年代、BBCはこの録画から取り出した色信号を白黒フィルムの映像に加える方法でカラー化を行った。このやり方はファンと技術者双方から成功と見なされた。 2008年、カラー映像を撮影した白黒フィルムを高解像走査してドットクロールを検出し、そこから色信号を復元する新しい着色方法が編み出された。この方法はドクター・フーの別の回やシットコムSteptoe and Sonのように、白黒の映像だけが残っている番組の復元に用いられるとされている。 とはいうものの、1960年代に放送された『ドクター・フー』のように、BBCがもともと白黒で制作した番組の着色処理を行う計画はない。 2018年にはNHK放送技術研究所が開発した人工知能(AI)を使用した「白黒映像の自動カラー化技術」が登場した。
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