弾幕系シューティングの特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 09:47 UTC 版)
「弾幕系シューティング」の記事における「弾幕系シューティングの特徴」の解説
第一にシューティングゲームにおける「弾幕」とは、敵の攻撃が画面を埋め尽くすほど大量に出現している状態のことを指し、大量の「弾」が飛び交う様子を「幕」に例えたことに由来する。シューティングゲームにおいて初めて「弾幕」をシステムとして取り入れた日本のゲームは1997年の『怒首領蜂』であるとされる。 弾幕系シューティングは、シューティングゲームの柱となる二つの要素「撃つ」と「避ける」のうち、「避ける」の爽快感を追求するため「大量の弾(弾幕)を容易に回避できる」というシステムを盛り込んだシューティングゲームである。 広義には敵弾が大量に発射されるシューティングゲームを指すが、狭義には敵弾が多く高難度のゲームであるだけでは弾幕系シューティングには分類されない。この場合、大量の敵弾に付随して次のような特徴が見られる。 敵弾のスピードが従来のシューティングゲームより遅いことが多い。 大量の敵弾が一定のアルゴリズムに従って連続射出される結果、画面上に幾何学模様が形成される事がある。 敵弾の攻撃判定や自機の当たり判定は見た目よりも小さい。 自機の移動スピードが低下し弾幕を避ける精密動作を容易にする機構が備わっている事がある。 これらの特徴を持って発表されたのが『怒首領蜂』であった。それまでのシューティングゲームではハードウェアおよびソフトウェアの処理能力による制約から一画面に表示できるキャラクターや弾の数、背景のデータ量などが大きく制限され、数百発の弾幕をまともに表現できないこともしばしばあった。近年のCGの処理能力の向上により、1画面に数千発もの弾幕をより滑らかで高速に表現できるようになったことから『怒首領蜂』リリース後模倣作品の頻発により2000年前後に「弾幕系シューティング」という表現形態が定着した。 画面内に大量の敵弾があっても自機が接触する可能性のある弾はそのうちのごく一部にすぎず、当たり判定も小さめなことが多い(最近の多くのタイトルでは自機の中心部分に、当たり判定のある核のようなグラフィックがある)ため、過去のシューティングゲームと比べて必ずしも高難度とは限らない。 弾幕系シューティングゲームのほとんどが縦スクロールであり、横スクロールのものは商業作品・アマチュア(同人ゲーム)双方を含めて少数(『プロギアの嵐』、『デススマイルズ』、『Gundemonium』、『赤い刀』など)しかない。これは人間の目が左右に並んでいる構造上、上から飛んでくる弾を避ける際に必要な左右のライン(x軸)を合わせるよりも、横からの攻撃を避けるための上下のライン(y軸)を合わせる方が難しいため、大量の弾を視認して回避せねばならない弾幕系シューティングには向いていないからである。
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