建設の遅れ~面会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 08:58 UTC 版)
架橋の建設現場では、三浦中尉による技術指導が稚拙であることと、英軍兵士らによるサボタージュが原因で予定の半分ほどしか工事が進んでいなかった。また、シアーズらによる脱走が発覚したことも斉藤を苛立たせた。 一隊の隊長として斉藤の元を訪れたクリプトンに対し彼は、「建設期限まで時間がないため何としてでもニコルソンら将校を建設作業に従事させたい」と要求し、「応じなければ病院に収容されている患者を建設現場に派遣する」と言った。クリプトンは斉藤から5分間だけニコルソンとの面会を許可され、彼に斉藤の計画を伝えた。ニコルソンの体調が気がかりであるうえに、「患者を建設現場に送るわけにはいかない」と、ニコルソンに計画への賛同を勧めたクリプトンであったが、「斉藤の要求は『脅迫』であり、ジュネーブ協定を遵守する自分の主義に忠実でありたい」として、ニコルソンは頑なに労役を拒んだ。 クリプトンはその旨を斉藤に伝えると同時に、「ニコルソンへの厳しい待遇は非人道的であり、万が一ニコルソンが死亡すれば殺人と同罪である」と主張した。しかし斉藤は、「死亡したとしても責任の所在はニコルソン自身にある」として受け入れなかった。
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