平行ビーム光学系を用いたトモグラフ像の撮影と復元
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 06:31 UTC 版)
「トモグラフィー」の記事における「平行ビーム光学系を用いたトモグラフ像の撮影と復元」の解説
被写体のx-y断面を考える。トモグラフィーの数学的な基礎はラドン変換と、ラドン逆変換である。ラドン変換は、トモグラフィーの基本原理であるばかりでなく、例えば、ハフ変換等にも応用される。応用範囲の広い数学的手法であるが、ここでは、トモグラフィーのモデル化という観点に重きをおいて説明する。 Figure2: 平行ビーム照射光学系によるトモグラフ像撮影原理; 被写体と、透過光との角度を、 θ {\displaystyle \theta } とするような、平行ビーム照射光学系を考える。この光学系による投影像は、ある種の線積分の結果と見做すことが出来る。前記の線積分は、被写体をビームが貫通した際に生じた減衰量(attenuation)を表している。図中の符号はそれぞれ、以下の通り (1)被写体, (2)平行ビーム光源, (3)スクリーン, (4)透過光, (5)平行ビーム光源、スクリーンの軌道, (6)平行ビーム光源、スクリーンの軌道の中心, (7)透影像(一次元画像; p ( s , θ ) {\displaystyle p(s,\theta )} をそれぞれあらわす。 関数 μ ( x , y ) {\displaystyle \mu (x,y)} のラドン変換は、以下の式で与えられる。 p ( s , θ ) = − ∫ − ∞ ∞ μ ( s cos θ − t sin θ , s sin θ + t cos θ ) d t {\displaystyle p(s,\theta )=-{\int }_{-\infty }^{\infty }\mu (s\cos \theta -t\sin \theta ,s\sin \theta +t\cos \theta )\,dt} 即ち、「 μ ( x , y ) {\displaystyle \mu (x,y)} のラドン変換の ( θ , s ) {\displaystyle (\theta ,s)} での値 p ( s , θ ) {\displaystyle p(s,\theta )} 」は、「関数 μ ( x , y ) {\displaystyle \mu (x,y)} の直線 l [ θ , s ] ( t ) {\displaystyle {l}_{[\theta ,s]}(t)} に沿う線積分の値」である。但し、 l [ θ , s ] ( t ) {\displaystyle {l}_{[\theta ,s]}(t)} は、 l [ θ , s ] ( t ) = [ s cos θ − t sin θ s sin θ + t cos θ ] {\displaystyle {l}_{[\theta ,s]}(t)={\begin{bmatrix}s\cos \theta -t\sin \theta \\s\sin \theta +t\cos \theta \\\end{bmatrix}}} で定まる直線(tについての直線)である。ここで、上式をtについての直線とみなす際には、 θ {\displaystyle \theta } ,sは、固定されているものと考えるが、その際、 θ {\displaystyle \theta } は前記の直線の傾き角を表し、sは、前記の曲線と原点との間の距離を表すことに注意されたい。 本節では、被写体の、座標(x,y)における吸収係数を μ ( x , y ) {\displaystyle \mu (x,y)} とモデル化する。そのうえで、 測定結果、即ち透過光によって得られた像のシリーズが、 μ ( x , y ) {\displaystyle \mu (x,y)} にラドン変換を施すことで得られた関数 p ( s , θ ) {\displaystyle p(s,\theta )} として表現される(モデル化される)こと 測定結果にラドン逆変換を施すことで、 μ ( x , y ) {\displaystyle \mu (x,y)} が復元されること。 を説明する。
※この「平行ビーム光学系を用いたトモグラフ像の撮影と復元」の解説は、「トモグラフィー」の解説の一部です。
「平行ビーム光学系を用いたトモグラフ像の撮影と復元」を含む「トモグラフィー」の記事については、「トモグラフィー」の概要を参照ください。
- 平行ビーム光学系を用いたトモグラフ像の撮影と復元のページへのリンク