平素の成績
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 05:59 UTC 版)
小学校・中学校・高等学校・高等専門学校においては、学校教育法施行規則により「各学年の課程の修了又は卒業を認めるに当っては、児童(生徒・学生)の平素の成績を評価して、これを定めなければならない」とされており、年齢や在学期間によって自動的に進級するとされているわけではないため、法律上は課程主義を取っている。 この「平素の成績」というのが何を表しているのかは諸説あるが、「試験の成績」ではないことから、進級試験や修了・卒業試験を行ってその成績で決定するのではなく、日常の試験の成績や出席日数なども含めたものだとされている。現在の一般的な公立小中学校では、学力試験の結果や通知表の評価よりも、主に出席日数を基準として解釈されている。このため、成績不良でも出席日数が十分である場合は進級できる場合が多く、また1990年代ごろからは不登校生徒の増加に伴い、フリースクールの出席も学校出席とみなすという規定が適用され、それによって進級できることが多くなっている。さらに近年はこういった施設を利用していなくても進級できる例も増え始め、出席日数ゼロでも進級する取り扱いをする場合も多くなっている。このように、課程主義であっても、ほとんど出席日数のみで進級を決定する場合は、修得主義ではなく履修主義での運営といえるため、年齢主義・年数主義と類似した運営となる。こういった、学習段階を考慮せずに自動的に進級させる制度は「ところてん式進級」とも呼ばれる。ただし、私立中学では後述するように学力的な成績も考慮される場合も多い。 一方、高校・高等専門学校においては、単位取得が進級・卒業の必要条件となるため、出席日数が十分であっても単位認定に不合格となると進級できないため、小中学校よりも課程主義の考え方が強いといえる。
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