平成9年台風第19号とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 平成9年台風第19号の意味・解説 

平成9年台風第19号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/21 05:28 UTC 版)

台風第19号(Oliwa、オリーバ)
カテゴリー5の スーパー・タイフーンSSHWS
台風第19号
発生期間 1997年9月4日 9:00
9月17日 6:00
寿命 12日21時間
最低気圧 915 hPa
最大風速
(日気象庁解析)
50 m/s (100 knot)
最大風速
米海軍解析)
140 knot
被害総額 402.6億円
平均速度 21.7 km/h
移動距離 6,716 km
上陸地点 鹿児島県枕崎市付近
死傷者数 死者10名・負傷者26名
被害地域 日本
プロジェクト : 気象と気候災害
テンプレートを表示

平成9年台風第19号(へいせい9ねんたいふうだい19ごう、国際名:オリーバ〔Oliwa〕)は、1997年(平成9年)9月に発生し、日本に被害を出した台風である。この台風の国際名Oliwaは、太平洋北西部ではなく太平洋北中部の名前リストのものであり、当時この台風は、平成27年台風第12号長崎県佐世保市に上陸するまで記録に残る限り日本に上陸した唯一のハリケーンだった。

概要

進路図

台風19号は当初、9月4日にマーシャル諸島の東海上で発生したハリケーンであったが、直後に日付変更線を越え「越境台風」となった。台風は発達しながら西に進み、11日には中心気圧915ヘクトパスカル最大風速50m/sまで発達し、大型で非常に強い台風となった。15日に奄美諸島付近で進路を北寄りに変えたが、次第に速度が遅くなり、九州の南海上で停滞[1]。そのため九州では長時間に渡り大雨と暴風に見舞われ、被害の大半が九州地方に集中する結果となった[1]。16日8時過ぎ、台風は中心気圧960ヘクトパスカル、最大風速40m/sの強い勢力で鹿児島県枕崎市付近に上陸した[2][3][4]。その後九州を縦断し、瀬戸内海を通って17日0時頃に岡山県倉敷市付近に再上陸[2]。17日早朝に若狭湾に進み、6時には温帯低気圧に変わって日本海沿岸沿いに北東進した[5]

台風と前線の影響により、奄美諸島から九州、四国の太平洋側、中国地方紀伊半島から東海地方を中心に大雨が降った[4][6]宮崎県えびの市では16日の日降水量が688mmとなり、期間降水量が969mmになったほか、鹿児島県や宮崎県、大分県や紀伊半島などでは、一部で期間降水量が600mmを超えた[2]。また、台風が強い勢力で上陸したため、鹿児島県枕崎市で最大瞬間風速49.0m/sを観測するなど、九州南部を中心に暴風となった[4][2]。16日には鹿児島県佐多岬で6.98mの有義波高を観測している[2]

なお、14日には奄美諸島で高潮による被害が発生したほか、九州地方南部や中国・四国地方などでは、台風の接近が大潮の満潮と重なったため潮位が高くなり、高潮や高潮による河川逆流氾濫により、浸水被害が発生した[2][1][7]

被害

  • 死者:10名[2]
  • 負傷者:26名[2]
  • 住家全壊:35棟[2]
  • 住宅半壊:39棟[2]
  • 床上浸水:4,010棟[2]
  • 床下浸水:13,535棟[2]
  • 被害総額:402.6億円[8]

脚注

  1. ^ a b c 台風情報:19号、奄美大島付近で停滞」『毎日新聞毎日新聞社、1997年9月15日。オリジナルの2001年1月19日時点におけるアーカイブ。2025年4月20日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 台風第19号 平成9年(1997年)9月13日~9月17日”. www.data.jma.go.jp. 2020年4月18日閲覧。
  3. ^ 台風19号:鹿児島県枕崎市付近に上陸=午前8時すぎ」『毎日新聞』毎日新聞社、1997年9月16日。オリジナルの1999年11月3日時点におけるアーカイブ。2025年4月20日閲覧。
  4. ^ a b c 台風19号:鹿児島・宮崎両県で約7万人に避難勧告出される」『毎日新聞』毎日新聞社、1997年9月16日。オリジナルの1999年9月2日時点におけるアーカイブ。2025年4月20日閲覧。
  5. ^ 台風19号:能登半島に抜け、温帯低気圧に」『毎日新聞』毎日新聞社、1997年9月17日。オリジナルの1999年11月4日時点におけるアーカイブ。2025年4月20日閲覧。
  6. ^ 台風被害:19号九州で猛威 崖崩れ・浸水相次ぎ交通寸断」『毎日新聞』毎日新聞社、1997年9月16日。オリジナルの1999年11月4日時点におけるアーカイブ。2025年4月20日閲覧。
  7. ^ 台風被害:14県で死者6人不明1人けが18人--警察庁」『毎日新聞』毎日新聞社、1997年9月17日。オリジナルの1999年11月4日時点におけるアーカイブ。2025年4月20日閲覧。
  8. ^ デジタル台風:台風199719号 (OLIWA) - 災害情報”. agora.ex.nii.ac.jp. 2020年4月18日閲覧。

関連項目

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「平成9年台風第19号」の関連用語

平成9年台風第19号のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



平成9年台風第19号のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの平成9年台風第19号 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS