帝国議会における除名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 06:36 UTC 版)
帝国議会における除名は、衆議院においては院議により、貴族院においては勅裁によるとされていた。 除名の原因は懲罰を原因とするものと召集不応または欠席を原因とするものの2種とされていた。 懲罰による除名 衆議院においては事犯のあった日から議員20人以上の賛成をもって動議をなし(議院法第98条)、その表決数は出席議員の3分の2以上とされていた(議院法第96条第2項)。ただし、除名された議員が選挙で再選された場合に衆議院はこれを拒むことができないとされていた(議院法第97条)。 召集不応または欠席による除名 議員が正当な理由なく指定期日後1週間以内に召集に応じない場合、正当な理由なく本会議や委員会を欠席した場合、請暇の期限を過ぎたにもかかわらず議長より発せられた招状を受けてから1週間以内に出席しない場合には、貴族院においては出席停止とした上で上奏して勅裁を請うものとし、衆議院においては除名することとされていた(議院法第99条)。 なお、貴族院議員については禁錮刑以上の刑に処せられた場合または破産宣告を受けてそれが確定した場合にも勅命をもって除名すべきとされ(貴族院令第10条第1項)、除名された議員についてはさらに勅許がなければ再び議員となることができないとされていた(貴族院令第10条第3項)。 帝国議会において除名された議員本会議採決日議院議員賛反比率理由1893年12月13日 衆議院 星亨 185 92 66.78% 収賄疑惑によって議長不信任が議決されたにも関わらず、議長の座に固執したため 1938年3月23日 衆議院 西尾末広 320 43 88.15% 国家総動員法案の審議において近衛首相を「スターリンの如く」と賞賛した発言を逆に政友・民政両党が問題視したため 1940年3月7日 衆議院 斎藤隆夫 296 7 97.69% 反軍演説が軍部の反発を招いたため
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