差別表現問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 19:40 UTC 版)
本書における 「そんな訳(わ)けだから塾中の書生に身なりの立派な者は先(ま)ず少ない。そのくせ市中の縁日など云(い)えば夜分屹度(きっと)出て行く。行くと往来の群集、就中(なかんずく)娘の子などは、アレ書生が来たと云て脇の方に避(よ)けるその様子は、何か穢多でも出て来て夫(そ)れを穢(きた)ながるようだ。如何(どう)も仕方(しかた)がない。往来の人から見て豚を殺す穢多のように思う筈(はず)だ」 との記述が問題視され、「穢多」の語が「ゝゝ」と伏字に置き換えられたり「えた」と平仮名表記に改竄されたりしたことがある。 この点について、本書の校注者の会田倉吉は「本書中には、差別用語として使用を当然さしひかえるべき表現が、数か所にわたって見うけられる。(略)その福沢にして、いかにも無造作にこのような表現を用いている事実は、その生きた時代をしかと知るうえになんらかの示唆を与えることと思われる」と述べ、本文中の差別表現を敢えて原文のままとした。
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