岩田年浩の経済学研究の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 01:16 UTC 版)
「岩田年浩」の記事における「岩田年浩の経済学研究の特徴」の解説
岩田は資本制の市場経済の調整機能は不完全であるというケインズ学派の立場に立つ。ケインズの弟子ハロッドは投資関数にそれを表現しようとした。そこには計画投資と事後投資を区別するという点で、主流派経済学の体系とは性格を異にするものだった。さらに、こうした経済の不安定性が偶発事やタイムラグに起因するものではなく、資本制のもつアンチノミーから生ずることを見る点で、マルクス学派との接点がある。この点で、置塩信雄の視角とも共通点をもつ。 この観点から、投資行動を中心とした不安定性が現実にはどのように生じているかの分析に進む。具体的には、1.株価変動における逆ウォッチ曲線での実証、2.移動勾配図による変動の上下での転換点の予測、3.ポアンカレ平面上での安定化作用と不安定化作用が多く見られることの発見、4.一つの経済変数の移動勾配を繰り返し取った場合の三次元図で右下がりの薄い局面が現れることの発見、5.経済数値をフーリエ変換して音を発生させ回復力あるデータの発掘をしてきた。経済データの音を発生させたのは彼が最初の人である。つまり、マクロ経済理論の実証・実験に貢献してきたものである。
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