山越え区間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/07 04:37 UTC 版)
嶺東線は途中で太白山脈を通過するため、東栢山 - 道渓間は勾配が連続する難所となっていた。この区間の勾配緩和のため、深浦里信号場 - 桶里間にはSの字を逆さにした形に引かれたオメガループ線が設けられ、途中の興田駅・羅漢亭駅は勾配型スイッチバック駅となっていた(日本では、狩勝峠付近における根室本線に相当する施設)。このうち羅漢亭駅は、日本の漫画作品『鉄子の旅』で取り上げられたことがある。 これら輸送の支障となる施設を解消するため、東栢山駅 - 道渓駅までの区間をループ型に短絡するソラントンネル(全長16.2km)の建設が計画された。このトンネルは2001年に着工し、2006年の同トンネル貫通後、道渓付近の工事が遅れていたが、2012年6月27日に開業した。これにより、東栢山 - 道渓間の旧線と、その上にある深浦里・興田・羅漢亭の3駅は廃止され、ソラントンネル内に設けられたソラン信号場(行き違い設備)に統合された。韓国で唯一のスイッチバック区間だったため廃止直前には鉄道ファンの人気を集め、廃止直前の6月20日には羅漢亭駅の旅客営業が再開されるほどの状況となった。なお、新線切り替えと同時に桶里駅は貨物専用となり、東栢山駅の構内側線扱いに変更された。 旧線は、廃止後の2014年に「チューチューパーク」(韓国語版)という観光鉄道としてオープンしている。
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