局所導手
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/12/17 07:58 UTC 版)
L/K を非アルキメデス的局所体の有限アーベル拡大とすると、L/K の導手 f ( L / K ) {\displaystyle {\mathfrak {f}}(L/K)} は、高次単数群(英語版)(higher unit group) U ( n ) = 1 + m K n = { u ∈ O × : u ≡ 1 ( m o d m K n ) } {\displaystyle U^{(n)}=1+{\mathfrak {m}}_{K}^{n}=\left\{u\in {\mathcal {O}}^{\times }:u\equiv 1\,(\mathrm {mod} \,{\mathfrak {m}}_{K}^{n})\right\}} が NL/K(L×) に含まれるような最小の非負な整数 n である。ここに、NL/K は体のノルム(field norm)写像で、 m K {\displaystyle {\mathfrak {m}}_{K}} は K の極大イデアル(maximal ideal)とする。同じことであるが、n は局所アルティン写像が U K ( n ) {\displaystyle U_{K}^{(n)}} 上で自明であるような最小の整数である。導手は、上記の n に対する m K n {\displaystyle {\mathfrak {m}}_{K}^{n}} として定義されることもある。 拡大の導手は分岐を測る。定量的には、拡大が不分岐であることと、導手が 0 であることとは同値であり、(拡大が)おとなしい分岐(英語版)(tamely ramified)であることと、導手が 1 であることとは同値である。さらに詳しくは、導手は高次分岐群(英語版)(higher ramification group)の非自明性を測ることができる。下付添え字の(英語版)(lower numbering)の高次分岐群 Gs が非自明であるような最も大きな整数を s とすると、 f ( L / K ) = η L / K ( s ) + 1 {\displaystyle {\mathfrak {f}}(L/K)=\eta _{L/K}(s)+1} が成り立つ。ここに ηL/K は「下付添え字」を高次分岐群の上付き添え字(英語版)(upper numbering)へ変換する函数とする。 また、L/K の導手はガロア群 Gal(L/K) の指標のアルティン導手(英語版)(Artin conductor)とも関係している。特に、 m K f ( L / K ) = l c m χ m K f χ {\displaystyle {\mathfrak {m}}_{K}^{{\mathfrak {f}}(L/K)}={\underset {\chi }{\mathrm {lcm} }}\,{\mathfrak {m}}_{K}^{{\mathfrak {f}}_{\chi }}} であり、ここに χ は Gal(L/K) の乗法的な複素指標(英語版)(multiplicative complex characters)の全てを渡り、 f χ {\displaystyle {\mathfrak {f}}_{\chi }} は χ のアルティン導手であり、lcm は最小公倍数である。
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