局所平坦時空
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/05 14:25 UTC 版)
厳密にいえば、特殊相対性理論によってミンコフスキー空間をひろがりのある系を記述するために用いることができるのは重力がほとんど無視できる場合のニュートン極限に限られる。重力が無視できない場合には時空は歪み、特殊相対性理論の代わりに一般相対性理論を考えることが必要になる。 しかしながら、等価原理によりそのような場合でも(重力の特異点を除く) 一点の周りの無限小の領域には局所慣性系を敷けることが保証されるので、ミンコフスキー空間でうまく記述できる。抽象的にいえば、重力がある場合には時空はゆがんだ四次元の多様体となり、各点での接空間がミンコフスキー空間となっている、と言い表すことができる。したがってミンコフスキー空間の構造は一般相対性理論においても本質的な役割を果たすことになる。 重力を弱めていった極限では時空は平坦になり、局所的にのみならず大域的にもミンコフスキー空間と見なせるようになる。このことからミンコフスキー空間はしばしば平坦な時空とよばれている。
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