尿蛋白半定量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 04:50 UTC 版)
「尿中一般物質定性半定量検査」の記事における「尿蛋白半定量」の解説
健常人の尿中にも微量の血漿由来の蛋白が存在するが、40から100 mg/日 程度である。150 mg/日 を超えると異常であり、蛋白尿とされる。尿蛋白試験紙の感度は アルブミンとして、10-30 mg/dL程度である。また、尿試験紙の蛋白半定量値(1+)は尿蛋白定量の30 mg/dLに相当するように標準化されている。 尿蛋白が陽性となる場合 尿蛋白が偽陽性となる場合 尿蛋白が偽陰性となる場合 生産過剰性蛋白尿(腎前性蛋白尿、オーバーフロー蛋白尿)多発性骨髄腫による免疫グロブリン軽鎖産生(ベンス・ジョーンズ蛋白))(試験紙では偽陰性になりやすい) 糸球体性蛋白尿(糸球体の蛋白透過性が亢進、主にアルブミン)各種の糸球体障害でみられ、蛋白尿の中では頻度が高い。高度のアルブミン尿(一日3.5 g以上)と低アルブミン血症が存在する場合はネフローゼ症候群と呼ばれる。 尿細管性蛋白尿(再吸収障害)β2ミクログロブリン、α1マイクログロブリン、レチノール結合蛋白などが含まれるが、構成成分は症例により一定ではない。1.5 g/日を越えることは稀。 腎後性蛋白尿尿路の炎症、腫瘍、傷害で血中や組織中の蛋白が尿中に移行したもの。 機能性蛋白尿体位(起立性蛋白尿)、発熱、運動、ストレス、心不全などに伴うもの。病的意義に乏しい。 妊娠:妊娠中の尿蛋白排泄量は非妊娠時のほぼ2倍となる。半定量(1+)では病的でない可能性があり、(2+)以上で病的蛋白尿を考える。 濃縮尿尿蛋白(+)でも比重が1.016以上なら病的蛋白尿(蛋白クレアチニン比<0.3mg/mgCr)でない可能性がある。 早朝第一尿では濃縮されているため(±)程度を呈することがある。 pH8以上のアルカリ尿。 クロルヘキシジンなど消毒薬により尿が汚染された場合。 ポリビニルピロリドン輸液後。 アルブミン以外の尿蛋白(感度が低い)ベンス・ジョーンズ蛋白尿試験紙のベンス・ジョーンズ蛋白に対する感度はアルブミンの二十分の一程度であり、試験紙法で尿蛋白陰性でも除外はできない。 β2ミクログロブリン、Tamm-Horsfallムコ蛋白、グロブリン 強酸性尿(酸性蓄尿など) 尿の希釈度により偽陰性になる場合がある。尿蛋白(±)でも比重が1.011以下なら病的蛋白尿の可能性がある
※この「尿蛋白半定量」の解説は、「尿中一般物質定性半定量検査」の解説の一部です。
「尿蛋白半定量」を含む「尿中一般物質定性半定量検査」の記事については、「尿中一般物質定性半定量検査」の概要を参照ください。
- 尿蛋白半定量のページへのリンク