対照平文の利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/09 08:51 UTC 版)
謎の20字側多表 (Twenties) を攻略するために、人員を拡大したSISは2つのアプローチを試みる。可能な限りの傍受暗号文に対して解明済みの6字側を埋めて残りの部分を「作文」してみる。意味がつながれば、20字側の多表が断片的に推定できる。作文には日本語学者の協力が必要だった。 さらに対照平文が入手できた場合は、6字側と20字側の原字も容易に推定できた。対照平文の入手方法は主に2通りあった。パープル暗号とレッド暗号の双方で暗号化された電文を比較検討する(大使館 - 公使館の間では、レッド暗号が引き続き使用されていた)。 日本大使館は、米国務省からの英文親書をパラフレーズせずにパープルで暗号化していたのを利用した。 また冒頭に第○電と連番を付ける日本側の慣習も役立った。パープルには0 - 9の数字をそのまま換字する機能がなく、数字を英字に置き換えると仮定した。実際には句読点コードの盗写が大前提となった解読方法である。例として1941年1月のベルリン発東京宛の復号電文冒頭を以下に示す。 FYC:第○電 FOC:極秘 KYD:貴電 FOV:( FYX:) CCF:¶BB:1 DD:2 YN:4 SY:7 JBB:11 JYN:14 JKZ:19 BJB:211/06/41 FYCGWFOCKAKUNENKYDSYSYSYP1/09/41FYCJBBFOCFOVDDNOBBFYXOOSH1/09/41FYCJBBFOCFOVDDNODDFYXYNCF1/10/41FYCJYNKYDSYPKSICCFHONSHCH1/11/41 XFCJKZTXSINSHCDENMUKYOKUC1/12/41 FYCBJBFOCKYDGWPKSIKNSDOKU
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