密室の誕生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 10:09 UTC 版)
明治になり、海外からの情報が入ってくると、まず翻訳と言う形で世間に伝わった。水田南陽訳『毒蛇の秘密』(アーサー・コナン・ドイル『まだらの紐』)などがあったが、「密室」を強調していない。 初期の作品では江戸川乱歩の書いた『D坂の殺人事件』(1925)が有名である。明智小五郎のデビュー作でもあるが、明智がポーやルルーの名前、作品名を挙げており、「密室」を意識していたことが伺える。明治期に意識されていなかった「密室」が大正期になり注目されだした理由として「鍵のかかる部屋」の普及にあるとされる。 小栗虫太郎の『完全犯罪』(1933)など、乱歩以外の作家も密室に挑戦するが、乱歩の作品も含めて、そのほとんどが機械的、理化学的であり「リアリティの欠ける」トリックであった。
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