客室内の防火対策の不備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:42 UTC 版)
「ホテルニュージャパン火災」の記事における「客室内の防火対策の不備」の解説
客室内の内装には防炎加工なしの化繊を用いた絨毯やカーテン、シーツ、毛布類が使われていたことから、延焼した際に可燃性の有毒ガスを多量に発生させ、フラッシュオーバー現象による燃焼拡大の危険性を高めた。客室間の間仕切り壁はコンクリートブロックが使われていたが、その一部に穴を開けて木レンガを配し、そこに角材を打ち付け、その上に可燃性の壁紙を貼ったベニヤ板を貼り付けていた。使用されたコンクリートブロックも継ぎ目に対してモルタルによる埋め戻しが不十分で所々に隙間があり、壁を燃やした炎がその隙間や燃えた木レンガの穴を通って隣室に燃え移った。さらに設備関係の配管用に壁やスラブに開けられた貫通孔(スリーブ)がきちんと埋め戻されておらず、客室ドアも木製だったために防火区画としての機能を有しておらず、煙を感知すると自動的に閉まる仕組みの随時閉鎖型防火戸(防火扉)も大半は廊下に敷かれていた絨毯に阻まれて火災発生時に閉鎖せず、その機能を果たさなかった。以上のような防火管理の不備や施工上の欠陥が炎や煙の通り道を数多く生み、延焼の拡大を早める要因となった。さらに、スプリンクラー設備の配管が最初から設置されておらず、天井にスプリンクラーヘッドを単体で接着して、あたかもスプリンクラーが設置されているかのように偽装して消防当局を欺いていたことも明らかになった。
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