実験的な数値予報の成功
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 01:42 UTC 版)
「ジョン・フォン・ノイマン」の記事における「実験的な数値予報の成功」の解説
フォン・ノイマンが高等研究所で開発していたコンピュータ(IASマシン)が1951年に完成した。この高速の計算機を利用して、1952年にはチャーニーらは、複雑な傾圧モデルを用いて低気圧発達の再現に成功した。これを受けて、現業運用のための数値予報モデルの開発のために、1954年にアメリカに「合同数値予報グループ(Joint Numerical Weather Prediction Unit: JNWPU)」が設立された。これは後に、現在アメリカで数値予報を行っている国立環境予報センター(National Center for Environmental Prediction: NCEP)となっていった。 一方で、1956年にはシカゴ大学の気象学者ノーマン・フィリップス(Norman Phillips)が、大気大循環モデルの計算実験を行って、地球上の大気の典型的な気候学的循環パターンの再現に成功した。その将来性に気付いたフォン・ノイマンは、早速大循環モデルのその後の発展のための会議のお膳立てをした。しかし、がんが進行していたフォン・ノイマンは、1957年に亡くなってしまった。しかし、気象プロジェクトから始まった数値予報モデルと大循環モデル(気候モデル)は、現在日々の天気予報やIPCCなどで議論されている地球温暖化の将来予測に欠かせないものである。
※この「実験的な数値予報の成功」の解説は、「ジョン・フォン・ノイマン」の解説の一部です。
「実験的な数値予報の成功」を含む「ジョン・フォン・ノイマン」の記事については、「ジョン・フォン・ノイマン」の概要を参照ください。
- 実験的な数値予報の成功のページへのリンク